インタビューのお相手:青木美夢さん オーダーメイドスーツ仕立・オンリーワンアクセサリー
たくろー:今回はインタビューを引き受けて下さり、ありがとうございます。早速ではありますが、簡単に自己紹介をお願い致します。
青木さん:はい!皆さん、初めまして青木 美夢と申します。
現在は、オーダースーツのご提供や、日本の和物など”和”をテーマに手作り小物をお作りすることをしています。
イベントを主催、出店などをし、最近では、日頃お世話になっている地域の飲食店や個人店とお客様を繋いだり地域の皆様にリフレッシュできる場を提供したいと考えマルシェを開催する事となりました❤皆様が安心して参加出来るように最初から最後までマスクは徹底し、楽しい場+テイクアウトのようなイメージで主催を致します!

今回は、よろしくお願いいたします。
たくろー:自己紹介ありがとうございます。ではインタビューの流れなのですが、青木さんの生き方や考え方について”幼少期→学生時代→現在→未来→学生へのアドバイス”という順番でお話をお伺いします。では、はじめに青木さんは、幼少期どんなお子さんでしたか?
青木さん:はい!私は、昔から活発な女の子だと思います。大人になって幼馴染と会話をすると、昔と今の雰囲気がほとんど変わらないと言われます(笑)。幼稚園児の頃の私は、隣のご自宅にお邪魔してご飯を頂くこともあったりと、誰とでも仲良くなれる性格でした。また、私は祖父母と両親と自分、兄、妹と7人で過ごしていました。私の育った家庭は、家族全員がみんなの為に何かやりたいと考えていて、たとえば行事事になると夜な夜な作成のはじめ、喜んでくれる顔を想像してワクワクしちゃう家族です。小学校1年生からご飯を炊くのは私の習慣でした。また、”肩たたき券”などを作って相手に喜んでもらうことに楽しさを感じてました。どのタイミングでもウェルカムなお家で、ハロウィンやクリスマスなどは20.30人家族の友人や彼氏彼女などを集めてお家でイベントをしていた賑やかな家族です。昔から家族以外の 誰かしらが居た環境だったので、人見知りもせずにそこで、”誰かのために動く”という価値観が自分の中で育っていき、今の価値観や本質に繋がっている気がします。
たくろー:そうだったんですね。とても明るく賑やかな家族ですね!
それでは学生時代は、どのように過ごされていたのですか?
青木さん:中学生、高校生の時の部活は、バレーボールをしていました。その時は、料理人か、パティシエか、ネイリストか、看護師か、保育士などをうっすらと将来を考えてました。
その中から看護師に決断をしました。理由は、自分の母や祖母が看護師で、父からも”手に職をつけとけ、この年になっても働けるんだぞ”と言ってもらい、資格をとらないと出来ない仕事につこうと思っていました。また看護師の知識があったら、祖父の命を救えたのではと考えると、看護師への道しかないと思うようになっていました。
そして、3年制の正看護師(国家資格)を目指す専門学校に進学しました。入学した学校は、すごく厳しい学校で46人が入学して26人が休学していました。私は、その休学した26人に入り、将来が真っ暗になり、”人生終わった”と絶望していました。そして、そのうちの私含め6人が何とか卒業できましたが、その学校では、高校時の厳しいバレーボール部で味わったものとは、比べ物にならないくらい厳しく毎日が辛かったです。自分の身は自分で守れという事で、親と相談して、ペン型のボイスレコーダーを持って学校に行っていたのを覚えています。
たくろー:看護師を志して専門学校に通い始めると、スパルタな学校で辛い思いをされて大変だったんですね。。それから、どういった心の変化や考え方があったりしましたか?
青木さん:はい。高校のバレーボールでも厳しい部活だったので、私なら大丈夫だ!と思っていたのですが、驚きや戸惑いを当時は持っていたと思います。また在学中、精神的に辛いことが他にも立て続けに起きて、心底苦しんでいたこともありました。
国家試験である正看護師の資格を卒業と同じタイミングで取得を目指していたのですが、正看護師の資格に落ちてしまい、専門学校を卒業後、「この1年間を無駄にしないように、やりたい事はやろう!」と視野を広げようと様々なことに挑戦し始めました。そこで、人生が大きく好転する転機がありました。
様々な人と出会う中で、昔からの親友から、オーダースーツの勉強会を誘ってもらい、興味本位で参加してみました。そこで自分が、やりたいことを明確に感じられたんです。何故なら、今まで相手の髪質、顔、スタイルなどから、どの小物やアクセサリーなどが相手に似合うかを考えて、プレゼントすることが楽しみの一つだったのですが、もっと相手に喜んで貰えるかも!!というウキウキな気持ちが高まり、オーダースーツにどんどん引き込まれました。また、スーツの着方や身だしなみを間違って捉えている人が多いと学び、周りの人に正しい情報を知ってほしいと思うようになっていったんです。その後、更にスーツの勉強会に参加し、スーツ関連の資格もとり、詳しくなっていきました。
たくろー:専門学校を卒業後、看護師以外の道も模索されたんですね。ちなみに、オーダースーツへの想いがどんどん強くなっていく理由は他にもありましたか?
青木さん:はい!それは、お世話になっていたお医者さんが、裏では「手術の腕は良いんだけど、服装はダサいよね」と言われていたことが、辛かったんです。いつも親しくしてもらえるお医者さんに何か恩を送りたいという理由から、周りの人たちにオーダースーツを知ってほしいという気持ちになっていました。
そして、いままで、群馬県の病院に勤める傍ら、週三回ウキウキな気持ちで病院の仕事終わりに東京都に向かい、スーツの勉強会に参加していたのですが、東京のアジア最大級のリハビリテーション病院に転職し、看護師の仕事とオーダースーツの販売の2軸で仕事が出来るようにしました。しかし、途中から更にオーダースーツの仕事に注力したいと思い、看護師の仕事を辞め、白金台で完全予約制でフルコミッションでやる事になりました。
たくろー:オーダースーツとの出会い、すごく運命を感じますね。
「オーダースーツ」一筋で仕事をしていく中で、どんな気持ちの変化などありましたか?
青木さん:お金持ちな社長の方は、15万~20万円するオーダースーツを購入してもらえることに対し、自分と同世代の友達にオーダースーツを紹介すると、値段が高いことを理由に既製品のスーツを購入しに行ってしまうことに違和感を持つようになっていました。当時は、より多くの人にオーダースーツを届けたいという思いが強かったんだと思います。
その後、今までと違う、別の方が経営するオーダースーツ屋の代表と出会い自分が何処まで成長する事が出来るかチャレンジしたく、1年だけこの会社で修行したいと決めて入社しました。
スーツ業界で1人が、月に20着販売することは異例と言われていたにも関わらず、この会社の社員は、オーダースーツを月に30着をコンスタントに売っていたんです。まさに、自分も多くの人に買ってほしいという想いがあったので、この会社に魅かれました。 入社後、今まで月間7着しか販売したことが無かったのですが、30着を目標に販売し始めました。その後ノルマを達成し続け、3ヶ月目には36着と半年間過去最高着数と売上を叩きだしました。合計月で70着(オーダーシューズなども込み)を販売し、自分売り上げが、5倍以上、着数で言うと最終的に7.5倍〜10倍になりました!
しかし、働いていく中で、前期を超える着数を売らねばならないというプレッシャーや目まぐるし毎日から、自分のカラダを壊してしまいました。
それから会社を休職し、自分の本当にしたいことは何だろうかと考え、「相手にもっと時間をかけて寄り添いたい」という気持ちを改めて気づく事が出来ました。会社で学べる事は、最大限学んだ!と、思いも吹っ切れ、2020年の12月フリーでオーダースーツが必要な方に提供していくことにしました。
たくろー:看護師からオーダースーツの会社員をされて、それからフリーで活動されて、様々なことに挑戦されていたんですね。ちなみに、現在や今後は、どういった仕事や想いを考えてらっしゃいますか。
青木さん:去年、会社員を辞め、フリーになったことで、”ゴミ”について気づくことが増えてきました。今まで、オーダースーツは、受注生産ということもあり、ゴミは出ないと思っていたのですが、工場では出ていることを知り、ビジネスに繋げたいと思うようになっていました。なので、今年からオーダースーツの使わなかった切れ端を使ってスーツの小物やイヤリングなどオンリーワンのアクセサリーをご提供しています。

また、「日本人、日本を忘れてませんか」というテーマに、着物や和物を扱った”カフスやタイピン””かんざし”や”ポーチ”を家族で作っています。50年近く使われず、大切に家にしまわれていた着物を捨てるのではなく、その切れ端を使って小物を作り、
「おばあちゃんからお母さん、お母さんから娘さんと次の世代にバトンを渡せるのでは」と思っています。
将来は、日本人に特価をしオンリーワンの小物を海外展開で販売してきたいと思っています。そして需要が高まったら、こういったオーダーメイドの商品制作を多くのママさんや高齢の方、精神障害を抱えた方と一緒に、「日本」を世界に伝えて行けたらと思っています。

たくろー:今後、世界展開をして日本の伝統を伝えていく!!とてもワクワクですね。
最後に、学生の方へむけてアドバイスをお願いいたします。
青木さん:オーダースーツ業界では、まだ女性担当者の方々が少ないですが、もしオーダースーツの販売や知識に興味持ってくださったなら是非、男女問わず「私に」お声掛けください。誰よりもあなたの為に一緒に今後を考えることはできるかと思います。
また、オーダースーツ業界以外でも、興味を持っていることに是非挑戦してください!
お金はかかかるかもしれませんが、諦める必要はありません。そして、、
これに決めたからと言って、これを必ずしなければならないというわけでもありません。
何かのせいにせず、自分の本心に従って何をしたいか試してみてください。
たくろー:今日は、熱いお話をありがとうございました。
濃厚な人生を過ごされてて、一日、一日を無駄にしてはいけないなと感じました。
貴重な機会を本当にありがとうございました。
<記者メモ>
最後に、記事に書ききれなかった青木さんの「信念や、大切にされている考え方」を
少しご紹介いたします。
是非、青木さんのことをもっと知りたいという方は、SNSなど✔してみてください
「誰かと会ったり、話をする時間は、相手の命を削っていると考えている。」
今回のインタビューは2時間半にも及び、たくさんの時間をくださりました。その時間を最大限相手の為に使おうとし、相手に喜んでもらおうとする姿は、本当に憧れました。
なぜこれほどまで向き合ってくださるのですか?と青木さんにお聞きしたときに、この言葉を頂きました。
「相手が、喜んでくれてありがとう」
相手への想いが乗った行動に加え、自己中心的にならず相手に「伝わっているか」を意識することが大切だと、改めてハッとしました。